現職での最後の出張工事最終日、現場自体もオフだった為ゆっくりと帰り支度をすることができた。
朝7時くらいに起床し、ホテルのフロントへ清掃をしなくていい旨の連絡をした。
それからもう一度、深い眠りについた。
体質だろうか、午前中はよく眠れる。
昼前に2度目の起床を果たし、着替えを済ませてホテルを一旦出た。
今日のノルマは、自宅への荷物を宅急便に出しに行くことと、レンタカーの給油と返却、あと翌日の新幹線の切符を購入することだ。
駅周辺は車も人通りも多い。
車での移動は距離の割に時間がかかる。
焦る気持ちを抑えつつ、ひとつひとつノルマを消化していった。
夕方までには全ての作業を終え、達成感を味わった。
いったんホテルに戻り、すこしだけ眠ることにした。
1時間くらいのつもりが3時間寝ていた。
ここ数日間通った定食屋の営業は21時までだったはずだ。
あと1時間ある。そもそも今日は営業しているのか。
あれこれ考えながら定食屋までの道を歩いていると、のれんが出ているのが見えた。
「こんばんは、まだ大丈夫ですか?」
いつものおばちゃんがこころよく迎えてくれた。
とんかつ定食 750円(税込み)
エビフライ定食 750円(税込み)
豚生姜焼き定食 750円(税込み)
ここ数日間食べた定食は、家庭的な味でどれも本当においしかった。
今日で約1年間、断続的に続いた大阪出張も終わり、完全に後輩に引き継いだ形となる。
というか今月末で仕事自体も辞めてしまうので、長期の出張とはもう無縁となるだろう。
知らない街をうろついたり、楽しいこともあったが、やはり家族と過ごせないことと仕事の不安感から、無駄なことにお金を使うことも多々あった。
特に仕事に慣れていない頃は、お酒の量も多かった。
出張先でギャンブルにお金をつぎ込む同僚も多い。
出張には手当は支給されるが、その分精神の安定を図るため出費が増えるという罠が潜んでいるように思う。
定食屋のおばちゃんに「数日間おいしかったです、ありがとう」とお別れを言い、ホテルへと戻った。
明日は新幹線で地元へと戻る。