世界一自分に優しい授業

自分に優しく夢を叶える、幸せの引き寄せ。楽しく充実した日々を送るための方法など。

彼の中で周りを糾弾することは【自分の正義】をより強固にする為であって、賛同することをそもそも求めてない

毎度のことながら出張の旅を満喫中だ。

今僕の就いている建設業の仕事は出張が多く、それをストレスに感じる人もいるだろうが、最大限楽しむよう心がけている。

というか単純に楽しんでいる。

 

新幹線や時には飛行機での移動、知らない街を歩くのは実に新鮮だ。

普段は車通勤の為、出張で駅前のホテルに泊まる場合などは、アルコール摂取の機会もしばしば増えたりもする。

 

今回はあまり一緒に行動することが少ない、社内の<営業担当>と同行することとなった。彼は僕よりも3つ年上だが、入社したのは自分より後でそれなりにお互いに気兼ねなく話せる仲である。

 

客先への説明や打ち合わせを淡々と済ませ、夕方から駅前の屋台居酒屋で落ち合う約束をした。【さし飲み】というやつだ。

 

彼は仕事に対して異様なまでの『熱意』を持っている。立場や姿勢、こうあらねばならない、こうあるべきだという強い観念を持っている。

そう、彼は自他ともに認める熱い漢(おとこ)だ。

燃えさかる怒りの炎が、時折彼の背後に見える。

 

 僕は彼のそういうところを気に入っているのだが、熱すぎるのも考え物で彼を煙たがる人間は多い。熱すぎる自分の観念を、他人にも強要してしまう。そして正義の名のもとに、そこから外れた考えの人間に戦いを挑むのだ。上司だろうと関係なく。

そんな(熱い)他人の正義を突きつけられた者はたまったものではない。それはあなたの正義でしょと、無為に相手の対抗心をあおってしまうのだ。

自分から敵を次々と量産しているのである。

 相手の対抗心が強ければ強いほど燃える、そんなところだろうか。

 

そんな彼にこの場はとことん付き合おうと思った。

なかなかじっくり話す機会はこれまでなかった。いい機会だと思った。

 

3杯目のビールを飲みほしても、彼の熱弁は止まらなかった。

運ばれてくる料理に目もくれず、彼の目は「巨人の星」のごとくメラメラと燃えていた。

彼の言うことはもっともで、正当性のあるものであり、もちろん理解できる。

「だけどそんなに熱くて疲れないかい、Heyベイビィ」といった具合だ。

事実、ストレス性の帯状疱疹やメニエール病を時折発症し、今は頭が猛烈にかゆいのだそうだ。普通に心配だ。

 

 同じ営業部の中で、自分以外は使えないヤツと豪語し孤立している彼にとって、燃えたぎる正義はアイデンティティーなのだろう。

「じゃあ自分が部の長になって、こういう風にしていきたいとか、そういう野望はあるんですか?」と聞けば、

「いや、別にそれはない」なのだそうだ。・・・おい。

 

彼の中で、周りを糾弾することは自分の正義と正当性をより強固にするための行為であって、皆が自分が追い求める正義に賛同することを、そもそも求めているわけではないのではないか。

 であれば、思い切り自分自身を爆発させて、それを燃料として前に進んでいってほしい。そう思えた。

 

ひとしきり熱を吐き出すことが出来た【熱い漢】は、最後は少し憔悴しているように見えたが、明日からもその炎が消えることが無いよう、微力ながら酸素を送って応援したいと思う。

 

読んでいただいてありがとうございます。